「17、18年の世代」はいたのか?
邦楽のトレンドは10年周期だと言われて久しいですが、実際ここ30年ぐらいの邦楽は1987年にピチカート・ファイブが1stアルバム『couples』でデビューしてからの10年が渋谷系、1997~8年に宇多田ヒカル、椎名林檎、くるり、スーパーカー、ナンバーガール、中村一義、七尾旅人らが相次いでデビューした俗に言う「97年の世代」、2007~8年にトクマルシューゴ『Exit』、Perfume『GAME』、相対性理論『シフォン主義』辺りの作品がリリースされてネオ渋谷系の潮流が起こるなど、本当に10年周期でトレンドが移り変わっていった感じがあります。(勿論そういったトレンドから漏れている、外れたところで活躍したバンドもいます)
その考えをスライドさせていけば当然次の邦楽のトレンドが起こるのは2017~8年、そうつまりこの記事が書かれている時点での去年か今年あたりになるんじゃないかな~と睨んでいた訳なんですが、かつてのミュージックマガジンやSnoozerの様な音楽雑誌に権威があった時代と違い、そういったシーンをまとめる媒体も無さそうなので、とりあえず主観で勝手にでっち上げる次第です。
これが「17、18年の世代」だ!
■ギリシャラブ
今回取り上げるアーティストの中では恐らく最年長、京都の新星ギリシャラブ。
Neutral Milk Hotel~Beirut辺りのUSインディのトラッド性を感じさせる一方で、初期フジファブリックの様な人懐っこいポップネスと変態性を併せ持ったバンド。
■ナツノムジナ
沖縄出身、高校時代からbloodthirsty butchersとの対バンなどで注目を集めていた4人組。(現在は大学進学で4人とも上京)
eastern youthやNumber Girl、ASIAN KUNG-FU GENERATIONから受け取ったバトンを着実に受け継ぐような、今ここのオルタナティブロック。
ナツノムジナ - 暈 / natsunomujina - Kasa(Official Video) - YouTube
■羊文学
既にあちこちで名前を見かけている人も多いであろう、下北沢を中心に活動するスリーピースロックバンド。
絞りだされるような気だるいボーカル、シューゲイズするギター、うねるベースライン。
所属レーベルは旧トラットリアのfelicity。
羊文学 "ドラマ"(Official Music Video) - YouTube
■ニトロデイ
高校在学中に発表した昨年のEPで話題を呼んだ4人組。
直球でNumber Girlとスーパーカーをやり過ぎて最早すがすがしいくらいで、00年代に大勢いたその手の有象無象と違うところはUSハードコア、DCパンクの素養もキチンと備えているところか。
PVでBig BlackのTシャツ着てるバンドが悪いわけない(?)
ニトロデイ "ジェット" (Official Music Video) - YouTube
■ステレオガール
平均年齢19歳、東京出身の5人組。2018年の未確認フェスで準グランプリを取って話題らしい(今知った)。
曲はジュディマリとかふくろうず辺りを想起させる様な感じなんだけど、アンサンブルのこなれ方が尋常じゃない。
ステレオガール - GIMME A RADIO - YouTube
■春ねむり
既に海外フォーラムでは「大森靖子以来の逸材の登場」と話題沸騰中の女性SSW。
「もし17年の世代が来るとしたら、先の97年の世代の中村一義やDragon Ashがブルーハーツを参照したように、神聖かまってちゃんを参照するはずだ」と前々から予言したんですが、結局出てきたのはこの人だけでしたね...
春ねむり「春と修羅」Music Video - YouTube
■崎山蒼士
■長谷川白紙
ネットレーベル・Maltine Recordsからデビューした現役音大生の俊英。
長谷川白紙、ヘヴンリィ〜期の七尾旅人meets Iglooghost的なポストモダンテクノって感じでこれで10代とかアンファンテリブル感あるhttps://t.co/vHfBoXerhu
— AYA (@Guru_asa) December 20, 2018
以上です。