2000年代邦楽アルバムベスト20位~1位

20位 Acid mothers temple & The Cosmic Inferno 「Pink Lady Lemonade - You're From Outer Space」

f:id:Guru_Asa:20191224160422j:plain

英紙WIREの表紙を飾るなど海外での評価も高いサイケデリック・ロックバンドが、あふりらんぽピカチュウを迎え初期からの代表曲をスタジオ録音したアルバム。果てしなく続くようなクリーントーンのギターリフと掻きむしるようなフィードバックノイズの中で、どこかリラックスした雰囲気の60sサイケを展開させている。

YouTube

 

19位 JUDY AND MARYWARP

f:id:Guru_Asa:20191224185409j:plain

90年代に一世を風靡したYUKI率いる4人組ロックバンドの、解散前最後のアルバム。TAKUYA(ギター)が作曲からプロデュースまでイニシアチブを取ったことで、実験性が増加。J-POPを研ぎ澄ました先にある前衛、コロンブスの卵のような傑作。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

18位 くるり「図鑑」

f:id:Guru_Asa:20191227140944j:plain

ジム・オルークと共同プロデュースした2nd。同時代のオルタナ表現をジャンクに解釈し、不況和音や捻くれた変拍子の上で言葉を呪詛のように撒き散らすさまは、今なおグロテスクなほどの魅力に満ちている。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

17位 nujabes「Metaphorical Music」

f:id:Guru_Asa:20191227164035j:plain

レーベルHydeout Productionsの主宰であり、2010年に急逝したトラックメイカーの1st。安直なイージーリスニングやクラブジャズには陥らず、客演のSubstantialやCise Starのラップが煌びやかなトラックを彩っている。

https://www.youtube.com/watch?v=K0Kfrj--djw

Apple Music | Spotify

 

16位 toe「the book about my idle plot on a vague anxiety」

f:id:Guru_Asa:20191227175300j:plain

デビューEPで話題を集めていた4人組インストゥルメンタル・ポストロックバンドの1st。流麗なツインギターアルペジオが音圧の強い空間系のドラムに絡むサウンドは、後のシーンに大量のフォロワーを産んだ。邦楽ポストロックのスタンダード的な1枚。

https://www.youtube.com/watch?v=5MbvIKkvpzE

Apple Music | Spotify

 

15位 envy「君の靴と未来 - ALL THE FOOTPRINTS YOU'VE EVER LEFT AND THE FEAR EXPECTING AHEAD -」

f:id:Guru_Asa:20191228161450j:plain

国内ポスト・ハードコアシーンのパイオニア的バンドの2nd。疾走する激情ハードコアと静的な轟音ポストロックが渾然一体となったスタイルが、前人未到カタルシスを生んでいる。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

14位 昆虫キッズ 「My Final Fantasy

f:id:Guru_Asa:20191228174523j:plain

ゼロ年代末期、「東京インディー」と呼ばれたシーンの中心的存在だったバンドの1st。君と僕は最後のファンタジーを取り戻すことも、27歳で死ぬことも出来ない。そんな諦念を振り払うかのような破れかぶれのロックンロールには、どこか冷めた感覚がある。

YouTube

Apple Music

 

13位 Lamp「恋人へ」

f:id:Guru_Asa:20191228184340j:plain

ニューソウルからボサノヴァまで咀嚼した、現代のシティポップの聖典。ポップスの歴史を更新するような瑞々しさにあふれた楽曲群を、全盛期のブライアン・ウィルソンのような神々しさを纏った永井祐介のファルセットが歌い上げる。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

12位 上原ひろみ「Spiral」

f:id:Guru_Asa:20200102115634j:plain

ブルーノート・ニューヨークやフジロックへの出演歴もあるジャズピアニストの3rd。全曲がオリジナルのピアノ・トリオ編成で、複雑な変拍子を用いながら30分以上にも渡る組曲などをプログレッシヴに展開している。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

11位 Borisboris at Last -Feedbacker-」

f:id:Guru_Asa:20200103104954j:plain

日本を代表するストーナーロックバンドの、ドローン/アンビエント サイドの名義「boris」でのリリース。ドゥーム級にヘヴィなリフ、幾層にも重なったフィードバックノイズがある1点を過ぎたところで爆発する全1曲44分。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

10位 銀杏BOYZ 「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」

f:id:Guru_Asa:20200103113907j:plain

GOING STEADYを解散した峯田和伸によって結成、2枚同時リリースされた1st。過剰でラウドなプロダクションの中で綴られるキーワードはブルーハーツ、ひばりくん、酒鬼薔薇...それは自ら火をつけた青春パンクというムーブメントへのある種のメタ表現であり、だからこそムーブメント自体にもトドメを刺した。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

9位 syrup16g「HELL-SEE」

f:id:Guru_Asa:20200103160812j:plain

ポリスやスミスをフェイバリットに挙げるバンドが切り取ったのは、2000年代の日本のリアル。劣悪な環境で短期間のレコーディングを強行した結果手に入れた、閉塞感のあるくぐもった音がリスナーの感情をどこまでも深く沈み込む、メランコリックな内省へと導く。時代を象徴する1枚。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

8位 Cornelius「Point」

f:id:Guru_Asa:20200103171254j:plain

渋谷系の首謀者が自身のレーベルからリリースした4thソロ。音響それ自体と戯れているような作りが前作「FANTASMA」から大幅に飛躍。水の滴る音、アコギのカッティング、虫や鳥の鳴き声...といった様々な素材が目まぐるしくステレオを駆け巡りながら決して実験的過ぎず、ポップに開けた感覚を残している。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

7位 相対性理論「ハイファイ新書」

f:id:Guru_Asa:20200106150400j:plain

レコード会社には所属せず、メディアへの露出も避けながら口コミで話題を集めたバンドの1stフル。やくしまるえつこの抑揚のない歌声の扱われ方はボーカロイドのそれにも近く、アノラック系やスミスの影響をチラつかせる体温の低いギターポップをアンニュイに彩っている。

YouTube

Spotify

 

6位 Boris「あくまのうた」

f:id:Guru_Asa:20200106155948j:plain

前作「Heavy Rocks」からさらに攻撃性を増した5th。エッジが効きすぎてささくれ立ったリフが容赦なく隙間を埋め尽くし、ストーナーとドゥームの領域を拡張する一方で長尺の曲では轟くようなサイケデリアを纏ったインプロを披露している。

YouTube

Apple Music

 

5位 nujabes「Modal Soul」

f:id:Guru_Asa:20200106170605j:plain

Terry Callier本人によるカバー②"ordinary joe"やSHING02との④“Luv(sic.)pt.3”など、豊富なネタ使いが冴え渡る傑作2nd。本人のキャリア全体の中でも代表作であり、今もなお広大なネットの海にそびえ立つLo-fi Hip Hopの金字塔。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

4位 NUMBER GIRL「SAPPUKEI」

f:id:Guru_Asa:20200112162531j:plain

ポスト・ハードコア色を強め、殺伐とした詩世界にも磨きがかかった3rd。デイヴ・フリッドマンのプロデュースによるソリッドな音像で、フリクション「軋轢」を2000年代の東京に完璧なまでにアップデート。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

3位 椎名林檎勝訴ストリップ

f:id:Guru_Asa:20200112165220j:plain

前作で華々しいデビューを飾った女性SSWの、250万枚を売り上げた2nd。自ら「新宿系」と名乗るセルフ・ブランディングの巧みさばかりがクローズアップされがちだが、その徹底した「虚」である身振りこそがポップスターとしての優秀さの証明に他ならない。邦楽史上に残る超傑作。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

2位 BORIS「Pink」

f:id:Guru_Asa:20200123114426j:plain

スラッジメタル / シューゲイザー / ドローンといったジャンルの境界をなぎ倒し、世界的な知名度を上げた代表作。モーターヘッドジーザス&メリーチェインがぶつかり合うようなカタルシスを経て、最終曲⑪"俺を捨てたところ"では10分以上に渡るフリークアウトを炸裂させている。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

1位 ゆらゆら帝国「空洞です」

f:id:Guru_Asa:20200123153126j:plain

解散前のラストアルバム。それまでの作品でうるさく鳴っていたギターは大きく後退し、代わりに無機質なクラウトロック的ビート感覚と煌びやかなサックスを導入。ぽっかりと空いた時代の虚無を見つめているかのような、うつろなファンクネスを響かせている。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

  

 

最後に、この企画の主旨に賛同してくれた景浦さん、ペソさんにspecial thanksを。

ありがとうございました。

2000年代邦楽アルバムベスト40位~21位

 40位 zOoOoOm「Eight My Heart」

f:id:Guru_Asa:20191217115236j:plain

京都のインディーシーンで活動する轟音スリーピースサイケバンドの、唯一の音源。ダブやレゲエを通過しながら、シャーマンのごとく響くボーカルとみだれ打ちのドラミングがトランス的な高揚感を煽る。マジでこれ1枚でBOaTBoredomsと比肩するバンド。必聴!

YouTube

 

39位 前野健太ロマンスカー

f:id:Guru_Asa:20191202163320j:plain

玉出身のSSWの、自主レーベルからリリースした1st。四畳半のパーソナルな出来事からモラトリアムの終わりについてまで歌った歌は、どこかカンタベリーのような温かみを持っている。マスタリングは中村宗一朗。

YouTube

 

38位 DJ Krush「寂 -Jaku-」

f:id:Guru_Asa:20191204124647j:plain

日本のhip hop黎明期から活動するDJの、全米カレッジチャートで3週連続1位を獲得した8th。尺八や三味線などの和楽器をフィーチャーしながら直截的なオリエンタリズムには陥らず、ジャズやトリップホップとも適度な距離を保った独自の表現を成立させている。

https://www.youtube.com/watch?v=d8qIMO1hf8s

 

37位 eX-Girl「Endangered Species」

f:id:Guru_Asa:20191210185147j:plain

Dead Kennedysのジェロ・ビアフラ率いるAlternative Tentaclesレーベルからリリースされた5th。コズミックなサウンドの中で'60sサイケやガレージ、ディスコをごった煮にしたような一大ロックオペラ。プロデュースはホッピー神山

https://www.youtube.com/watch?v=gwf5XDQjtgk

Apple Music

 

36位 G.I.S.M. 「SoniCRIME TheRapy」

f:id:Guru_Asa:20191217105128j:plain

東大赤門ギグなどで悪名高い1980年代の東京のハードコアシーンを代表するバンドの、15年ぶりの3rd。不在の空白を塗りつぶすような音圧のギターと横山サケビによる言葉にならない絶叫が、聴く者全てを圧倒する暗黒の教典。

https://www.youtube.com/watch?v=OmyiMdwfGlM

 

35位 BOaT「RORO」

f:id:Guru_Asa:20191217111232j:plain

ギターボーカルのAxSxEを中心に結成されたロックバンドの、ポストロック的な音響を全面的に取り入れた4th。キャッチ―なギターリフ、打ち鳴らされるスネアの隙間からにじみ出るCANの遺伝子。夏を終わらせるな!

YouTube

 

34位 スーパーカー「HIGHVISION」

f:id:Guru_Asa:20191202153655j:plain

プロデュースに砂原良徳を迎え、電子音楽的なアプローチに接近した4th。ソフトな打ち込みと生ドラムを組み合わせた変則的なリズムや、同じフレーズの反復から祝祭的なダンスチューンに切り替わるような、遊びの感覚が冴え渡っている。 

YouTube

Apple Music | Spotify

 

33位 HALCALIハルカリベーコン」

f:id:Guru_Asa:20191217183534j:plain

モデルとしても活動するフィメールラッパーユニットの1st。RIP SLYMERYO-ZとDJ FUMIYAの全面プロデュースによるトラックと気怠い脱力系のラップは、Kero Kero Bonitoや水曜日のカンパネラに10年先駆けた。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

32位 高円寺百景「Angherr Shisspa」

f:id:Guru_Asa:20191217140911j:plain

ドラムの吉田達也を中心に結成された、MAGMAのコピーバンドを母体とするズール・プログレ系バンドの4th。金澤美也子(る*しろうKey)、 山本響子(オペラソプラノVo)、小森慶子(渋さ知らズSax)が参加したことによりジャズロックの枠に収まらない豊穣なサウンドを確立している。

https://www.youtube.com/watch?v=LHDOALyDOO8

Apple Music | Spotify

 

31位 トクマルシューゴ「EXIT」

f:id:Guru_Asa:20191217144551j:plain

1stと2ndの相次ぐ海外リリースで注目されたSSWの3rd。50種類以上の楽器や、身の回りの日用品を楽器代わりに自ら演奏、録音、編集する偏執狂的なこだわりを見せながらも宅録的な閉塞感は無く、あくまで"うた"に比重を置いたことによるポップで開けた印象が残る。

https://www.youtube.com/watch?v=Li_nc8ED6qI

Apple Music | Spotify

 

30位 Lily Chou-Chou 「呼吸」

f:id:Guru_Asa:20191217154351j:plain

映画『リリイ・シュシュのすべて』に登場する架空のシンガーソングライターから生まれたSalyu小林武史岩井俊二による同名の音楽ユニット。サイケデリック・ロックの体裁を取りながら、か細く透明なSalyuの歌声と小林武史によるエレクトロニカ的な音響処理が14歳の少年のナイーヴィティを昇華する。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

29位 Perfume「◢」

f:id:Guru_Asa:20191220115038j:plain

前作「GAME」でオリコンチャート1位を獲得した3人組テクノポップ・ユニットの3rd。フレンチ・エレクトロやディープハウスの波を感じさせる中田ヤスタカによるトラックは攻撃性を増し、オートチューン加工されたボーカルがレトロフューチャーな感覚のポップスを完成度の高いものにしている。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

28位 宇多田ヒカルDEEP RIVER

f:id:Guru_Asa:20191220172307p:plain

10代でデビューした当時の世間的なイメージから離れ、日本的な情緒をたたえた3rd。遠藤周作『深い河』からインスピレーションを受けた歌詞はどこか翳りに満ちているが、ラストを飾る⑫"光"がそこに射しこむ光明のように眩しい。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

27位 七尾旅人「ヘヴンリィ・パンク:アダージョ

f:id:Guru_Asa:20191220182414j:plain

全35曲2時間半を超える2枚組の超大作2nd。天使、あの子、海辺といったモチーフがさまざまなスタイル(フォーク、ボサノヴァ、Gファンク...)の楽曲達と一緒に「Selected Ambient Works Volume II」の巨大な繭の中でじゃれているような、2000年代随一の怪盤。

YouTube

 

26位 ススム・ヨコタ「Grinning Cat」

f:id:Guru_Asa:20191220194952j:plain

前作「SAKURA」(1999)が国内外で絶賛されたコンポーザーの、UKのLEAFレーベルからリリースされたフル・アルバム。ダンスミュージックとしての機能性は保ちながらどこかフロアとは隔たったところで鳴らされているような、静謐なミニマル・アンビエント

YouTube

Spotify

 

25位 麓健一「美化」

f:id:Guru_Asa:20191222112203j:plain

にせんねんもんだいのレーベル「美人レコード」からリリースされたCD-R作品が話題を呼んだSSWの1st。教会で鳴らされているかのようなピアノ、無骨なリズムマシーンを病的なファルセットが包み込む。ニック・ドレイク、アーサー・ラッセルの系譜を継ぐ、新しい"うた"の萌芽。

YouTube

 

24位 Ghost「Hypnotic Underworld

f:id:Guru_Asa:20191222125612j:plain

東京を拠点に活動するサイケデリック・ロックバンドの、ベースに守屋拓之、パーカッションに立岩潤三が加入した新体制での7th。23分間のタイトルトラック、強度のあるリフをツェッペリン的に展開させる⑦"Piper"、トライバルなパーカッションに重なるフルートが怪しげな⑧"Ganagmanag"など、70sプログレケルト系サイケを独自に解釈している。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

23位 Ryoji Ikeda「Dataplex」

f:id:Guru_Asa:20191222170109j:plain

現代音楽 / 電子音楽の分野で世界的な知名度を持つ作曲家の7th。プツ、プツ、と断続的に鳴らされるミニマルなグリッチが、綿密に構成されたビートの上で近未来のポリリズムを奏でている。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

22位 DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN 「アイアンマウンテン報告」

f:id:Guru_Asa:20191222182452j:plain

菊地成孔が主宰する11人編成ビッグバンドの1st。70年代のエレクトリック・マイルスを参照点にしながら、アフロ的なポリリズムの揺らぎで再編された菊地雅章ジミ・ヘンドリックスのカバーも含む全6曲。

https://www.youtube.com/watch?v=WufyBWU67WM

Apple Music | Spotify

 

21位 山本精一「クラウン・オブ・ファジー・グルーヴ」

f:id:Guru_Asa:20191224131614j:plain

BoredomsROVO想い出波止場などで活動するマルチプレイヤーの、制作に5年以上の歳月を費やした「真のファースト・ソロ」。無数のメロディとビートが溶け合うように混ざり合い、ジャンル分け不可能なグルーヴを維持したまま迎えるラストトラック⑧"Mantral"が感動的。

YouTube

Apple Music

 

2000年代邦楽アルバムベスト60位~41位

60位 くるり「THE WORLD IS MINE」

f:id:Guru_Asa:20191105222059j:plain

アルバムごとに音楽性を変える京都出身のロックバンドの、エレクトロニカに接近した4th。ダウンテンポのハウス、アコギやピアノの弾き語り、トラッドなチェンバーポップなどジャンルを越境した楽曲達には気怠い美しさがあるが、どこか夏の終わりのような寂寥感に満ちている。

https://www.youtube.com/watch?v=9-VN4sA7szM

Apple Music | Spotify

 

59位 COALTAR OF THE DEEPERS「Yukari Telepath」

f:id:Guru_Asa:20191109113330j:plain

90年代から活動するロックバンドの6th。シューゲイザースラッシュメタルの要素を掛け合わせていた従来のスタイルをさらに進化させ、三味線やガムランを用いながら1曲1曲の密度を高めている。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

58位 ASIAN KUNG-FU GENERATION君繋ファイブエム

f:id:Guru_Asa:20191109170924j:plain

NUMBER GIRL以降のオルタナのフォーマットに、BECK由来のラップ的な押韻を落とし込んだ鬼っ子バンドのメジャー1st。これより後の作品と比べ抒情的に訴えかけるような楽曲が多く、同時代のポストハードコアやエモ系のバンドとの共振を感じさせる。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

57位 GO!GO!7188「鬣」

f:id:Guru_Asa:20191113123325p:plain

鹿児島出身のスリーピースロックバンドの、シングル②"浮舟"を含むバンド史上最高のヒットになった3rd。沖縄民謡的なヨナ抜き音階を用いながら、椎名林檎以降の「和」の表現を更新している。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

56位 ROVO「MON」

f:id:Guru_Asa:20191113190728j:plain

勝井祐二山本精一益子樹らが率いるスーパーバンドの6th。初期のニューエイジ的なトランスの高揚感をそのままに、フュージョンの領域に入りつつある超絶技巧のパーカッションがライブ感溢れるダイナミズムを伝えている。

YouTube

 

55位 スピッツハヤブサ

f:id:Guru_Asa:20191121192123j:plain

石田ショーキチをプロデューサーに迎え、従来のイメージから脱したパンク的な衝動を前面に出した9th。ボトムの太いベースラインでファットな印象を楽曲に与えながら、⑥"HOLIDAY"のように軽やかにスイングできるバンドは貴重。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

54位 Polaris「Union」

f:id:Guru_Asa:20191121195014j:plain

『宇宙 日本 世田谷』の先の彼岸と極甘J-POPの狭間をスリリングに行き来するバンドの1つの到達点。9分を超える⑥"Fast & Slow"のダブ音響に絡みつくストリングス、遠く響くエレピの繊細な息遣いを聴け!

YouTube

Apple Music | Spotify

 

53位 Plus-Tech Squeeze Box「Cartooom!」

f:id:Guru_Asa:20191122150031j:plain

とにかくアッパーで躁的、カートゥーンの世界に放り込まれたようなカットアップの嵐。28分の収録時間に4500種類以上のサンプリングを詰め込み、『FANTASMA』以降のコーネリアスが忘れたものを取り戻そうと試しみている。

YouTube

 

52位 COWPERS「揺ラシツヅケル」

f:id:Guru_Asa:20191122154209j:plain

92年結成、札幌出身のロックバンドの2nd。つんのめるビートに不協和音やカオティックな絶叫を叩きつけながら、日本語の語感を損なわないポストハードコア / エモのスタイルを研ぎ澄ましている。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

51位 SAKANA「Blind Moon」

f:id:Guru_Asa:20191123142734j:plain

1983年に結成されたポコペン(ボーカル)と西脇一弘(ギター)のユニットの11th。アメリカのフリーフォークブームと共振するかのように日本の「うたもの」シーンがにわかに注目された2000年代初頭、羅針盤らと共に音響からの回帰として「うた」へ向かうというアプローチは名コンピ『So Far Songs』とこのアルバムに結実したと言える。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

50位 ART-SCHOOL「LOVE/HATE」

f:id:Guru_Asa:20191123161518j:plain

ギターボーカルの木下理樹を中心としたロックバンドの2nd。前作に比べ曲のグランジ濃度は倍増。重いパワーコードのリフをガシガシとキメながら、乾いた暴力性と少年のような繊細さを同居させている。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

49位 ゆらゆら帝国ゆらゆら帝国のめまい」

f:id:Guru_Asa:20191123182243j:plain

坂本慎太郎を中心に結成されたスリーピース・ロックバンドの、「~のしびれ」と共に同時発売された5th。冷たいテクノ的なビート感を持った曲が集められた「~のしびれ」に比べ、メロウな歌謡サイドの曲が集められており、時に狂おしいファズ・ギターを響かせながら現代のおとぎ話を紡いでいる。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

48位 1000 Travels of Jawaharlal「Owari Wa Konai」

f:id:Guru_Asa:20191129153151j:plain

チェコのレーベルであるDAY AFTERと共同リリースされた、北九州出身のハードコア・パンクバンドの唯一のフルアルバム。ささくれ立ったDCパンク直系のギターサウンドが、聴き手の感情をかきむしるように鳴らされている。日本語で歌うこと、現実から目をそらさないこと、己の中の感情に愚直なまでに正直であること。

YouTube

 

47位 くるり「TEAM ROCK」

f:id:Guru_Asa:20191129162014j:plain

京都出身のロックバンドのエレクトロ、ハウスに接近した3rd。俗に言う「97年の世代」のアーティストが同時代の音楽をジャンル関係なく雑多に吸収していた中、その誰よりもくるりはバンドのアティチュードとして折衷性を体現していた。⑨"ばらの花"はその最良の成果の一つ。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

46位 ASIAN KUNG-FU GENERATION「ファンクラブ」

f:id:Guru_Asa:20191129190141j:plain

ストパンク・リバイバルの波にリアルタイムで共振した3rd。時代性を反映させたような鬱屈とした曲調の中で、複雑な変拍子を多用しながら「君」と「僕」の半径5メートルの距離から世界の果てまでを夢想する。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

45位 戸張大輔「ドラム」

f:id:Guru_Asa:20191130153855j:plain

90年代半ばにカセット音源がカルト的な人気を得たSSWの2nd。日本の奥深くにある秘境の地で奏でられているような、幽玄なドリームポップ。

YouTube

 

44位 宇多田ヒカルULTRA BLUE

f:id:Guru_Asa:20191130171039j:plain

世界デビューアルバムを経て、オルタナティブ路線に回帰した5th。『DEEP RIVER』で完成した内省的なシンガーソングライターとしての側面を残しながら、攻撃的な電子音が吹っ切れた印象を与える。スクリレックスもお気に入りの1枚。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

43位 七尾旅人「ひきがたり・ものがたり Vol.1 蜂雀」

f:id:Guru_Asa:20191201115620j:plain

1998年に19歳でデビューした、異形の天才SSWの3rd。アコースティックギター主体の弾語りで構成されており、特異的な言語センスとミニマルな音響空間がリスナーをメルヘンの世界へと没入させる。

YouTube

 

42位 NUMBER GIRL「NUM-HEAVYMETALLIC」

f:id:Guru_Asa:20191202121131j:plain

前作に続いてデイヴ・フリッドマンと手を組んだ4th。祭囃子的なビートやダブ、ラップなどのアプローチを新たに導入し、リフの強度を高めることによりプログレッシブな快楽を突き詰めている。

YouTube

Apple Music | Spotify

 

41位 ミドリ「セカンド」

f:id:Guru_Asa:20191202144953j:plain

「関西ゼロ世代」の最終兵器と謳われたバンドの2ndフル。ライブパフォーマンスやメディア露出の下品さが国内での評価を下げているきらいがあるけど、ポスト・ボアダムスアヴァンギャルドのエッセンスをピアノ中心のギターロックの中で再構築している...という意味では、アティチュードとしてブルックリン系のバンド達と近かったのでは。

YouTube